◆Woman blues◆
『分かった。駅前のSビル10階のバー《alexandrite》で待ってる』
アレキサンドライトは、私と秋人のお気に入りのバーだ。
落ち着いた雰囲気で、音楽はいつもブルース。
インストゥルメンタルの時もあれば、ヴォーカルインの曲も流れるが、いつもブルースメロディオンリーだ。
オーナーの気まぐれでたまにピアノの生演奏があるが、それもブルース。
店に入るあと一歩のところで深呼吸をして、私は重厚なドアを開けた。
「いらっしゃい」の代わりの、やさしい笑みに会釈して秋人を探す。
秋人は先に来ていた。
長い足をもて余すように組み、カウンターに片肘をついてバーボンを呑んでいる。
さあ、泣く準備はもう整えた。
今更、ジタバタするなんて、アラフォー女がすたる。
私は彼の数歩前から笑顔を作ると柔らかい声を出した。
「秋人」
◆◆◆◆◆◆
一週間後。
「怜奈ちゃん、企画部から上がってきた資料の用意出来てる?」
怜奈ちゃんがしっかりと頷いた。
「はい、人数分コピー済みです。後で配布します」
「ありがと。今日の会議は企画部との合同会議だからね。皆、絶対遅れないでね」
頷いたデザイン一課の面々を確認した後、私は課長のデスクに歩み寄った。
「課長。私、会議後、工場顔出して直帰していいですか?」
アレキサンドライトは、私と秋人のお気に入りのバーだ。
落ち着いた雰囲気で、音楽はいつもブルース。
インストゥルメンタルの時もあれば、ヴォーカルインの曲も流れるが、いつもブルースメロディオンリーだ。
オーナーの気まぐれでたまにピアノの生演奏があるが、それもブルース。
店に入るあと一歩のところで深呼吸をして、私は重厚なドアを開けた。
「いらっしゃい」の代わりの、やさしい笑みに会釈して秋人を探す。
秋人は先に来ていた。
長い足をもて余すように組み、カウンターに片肘をついてバーボンを呑んでいる。
さあ、泣く準備はもう整えた。
今更、ジタバタするなんて、アラフォー女がすたる。
私は彼の数歩前から笑顔を作ると柔らかい声を出した。
「秋人」
◆◆◆◆◆◆
一週間後。
「怜奈ちゃん、企画部から上がってきた資料の用意出来てる?」
怜奈ちゃんがしっかりと頷いた。
「はい、人数分コピー済みです。後で配布します」
「ありがと。今日の会議は企画部との合同会議だからね。皆、絶対遅れないでね」
頷いたデザイン一課の面々を確認した後、私は課長のデスクに歩み寄った。
「課長。私、会議後、工場顔出して直帰していいですか?」