紳士な婚約者の育てかた

不満はポツポツございますが、無事にプロポーズしていただいて。
知冬さんとの結婚が正式に決まりました。
それを両親に報告したら「フランスへ行かないと駄目か?」と言われて
結婚式すら来ないつもりかと内心焦りましたがちゃんと来てくれるそうです。


「嶋志真か。……うう、そこはやっぱり憂鬱だなあ」

シマシマ。シマシマなんです私。サファリの動物じゃないんです人間なんです。
それとも強引にお願いして婿に来てもらうとかも考えたけど。特に跡取りが必要な家
ではないので、あと手続きが面倒なことになりそうなので諦めた。

「志真?」
「子どもには絶対かわいい名前をつけるんだから」
「子ども?」
「あ。いえ。いざ結婚が決まったらいろいろと考えちゃって」

名前とか名前とか、あと名前とか。

「一度ハイと言ったからにはもう変更は聞きませんよ」
「そこは分かってます。知冬さんと暮らすのはとっても楽しみ」
「何が不満?」

彼はベッドに座っていた志真を抱き寄せて問いかける。やさしい口調で。

「不満はまだない」
「そう。よかった」
「これから多分何度も爆発すると思うけど」
「でしょうね」

志真もそれに身を任せ安心した顔をする。もうすっかり彼に触れられることには慣れて、
むしろそれが普通だと思えるのだから。もしかしたらおばさんと同じように独身を貫いて
あの一軒家で住むのかもと思ってた頃が懐かしい。

「知冬さんこそ本当に私で良かったの?結婚相手は世界中で探せるわけで」
「世界中?ナンドじゃあるまいし、そんな暇なことはしない。…志真がいい」
「……私も旦那様になってもらうなら、知冬さんがいい」
「あ。今のは俺を誘ってる?」
「え?」
「もっと直接的に誘ってもらっても良かったのに。…可愛い志真」
「え。あ。え?ちょ。そういう…そういう意味ではーっ」

今では平気で婚約者に押し倒されてますよお母さん。はしたなくてごめんなさい。



「ドレスをデザインするにあたって君の体を測っても」
「絶対?」
「大丈夫ですよ、俺が測るから」
「……」
「大体は把握してますけど、一応念の為に」
「…ダイエットすべきだった」

あと婚前エステとかコッチでも出来るのだろうか。
明日にもマリアさんに聞いてみよう。

「忙しくなりそうだ」
「知冬さん楽しそう」
「楽しいですよ。志真が居るとなんでも楽しい」
「……、私も楽しい」
「それは2回めに突入して欲しいということですか?」
「それって貴方の願望でしょ?だから私はもう十分…うわあん!ちょっとー!」

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