気まぐれイケメン上司に振り回されてます!
自分のデスクに戻る前、入口のドアのそばで立ち止まったわたしは、ミーティングルームを出る前に見た景さんの悲しそうな表情を思い出して、自分の言ったことを再び後悔していた。
「……なるほど。わたしと会っていない間にそんなことがあったんだ」
仕事終わり。ちょうど金曜日で、消化しきれず溜まっている苦しい想いを聞いてもらいたくて、わたしは沙穂子を飲みに誘った。
だけど胸が詰まるような感じがあって、わたしが頼んだビールはなかなか減っていかない。
「いつも吉葉さんのことばかりだったのに、今日は“峯川さんと賀上さん”というふたりが登場して、なんだかおもしろいね」
「沙穂子……わたし、悩んでるんだけど」
「うん、そうだよね、ごめんごめん」
何度も来たことがある駅前の居酒屋。そのテーブル席で、一通りわたしの話を聞き終えた沙穂子は茶化すようなことを言ってビールをひと口飲むと、急に真面目な顔をしてわたしの目をしっかり見た。
「でもさ、もうやることは決まってるよね。吉葉さんに春絵の気持ちを伝えなよ」
「でも、景さんは……」
「春絵は、吉葉さんのことが好きなんでしょう? 好きって気持ちでいっぱいなんでしょう? それなら伝えるべきだよ。吉葉さんのアシスタントを離れて一緒に仕事をしないようにする選択は、逃げているだけじゃん。結局避けていることと変わらないよね?」
「……なるほど。わたしと会っていない間にそんなことがあったんだ」
仕事終わり。ちょうど金曜日で、消化しきれず溜まっている苦しい想いを聞いてもらいたくて、わたしは沙穂子を飲みに誘った。
だけど胸が詰まるような感じがあって、わたしが頼んだビールはなかなか減っていかない。
「いつも吉葉さんのことばかりだったのに、今日は“峯川さんと賀上さん”というふたりが登場して、なんだかおもしろいね」
「沙穂子……わたし、悩んでるんだけど」
「うん、そうだよね、ごめんごめん」
何度も来たことがある駅前の居酒屋。そのテーブル席で、一通りわたしの話を聞き終えた沙穂子は茶化すようなことを言ってビールをひと口飲むと、急に真面目な顔をしてわたしの目をしっかり見た。
「でもさ、もうやることは決まってるよね。吉葉さんに春絵の気持ちを伝えなよ」
「でも、景さんは……」
「春絵は、吉葉さんのことが好きなんでしょう? 好きって気持ちでいっぱいなんでしょう? それなら伝えるべきだよ。吉葉さんのアシスタントを離れて一緒に仕事をしないようにする選択は、逃げているだけじゃん。結局避けていることと変わらないよね?」