気まぐれイケメン上司に振り回されてます!
上手くまとまっているか不安だったけれど、自分の中の想いと考えを賀上さんに向かって話した。
すると賀上さんは「そうか……」と、椅子の背もたれに寄りかかり、諦めたようなうなずきを見せた。

「こんなことなら、お前が泣いているのを見つけたとき無理矢理にでも家に連れ帰ればよかったな」

「……えっ!?」

「そうすればもう少しお前は俺を意識してくれたかもしれない。かっこつけたのに、こうして結果はかっこ悪いものになったから後悔してる」

それってどういう意味……?
くすくす笑っていた賀上さんは腕を組んで瞳を伏せた。

「お前が吉葉のことで悩んでいるのを見て、放っておけなかった。だから話を聞いてやったりしていたけど……泣いているお前を見たらもっと放っておけなくなった。俺のそばに来いって言いたくなるくらい」

わたしの顔が一瞬で熱くなる。
それってわたしに、ある程度の特別な気持ちがあったということ?

あの賀上さんが?と信じられなくて固まってしまう。

「でも俺は、お前が吉葉のことを好きなんじゃないかと、聞かなくても吉葉の隣にいるお前を見てずっと前から思っていた」

「ず、すっと前からですか……」

「ああ。だから、こうして吉葉を選ぶことはなんとなくわかっていた」

まあ、少しくらいは賭けていたけど、と賀上さんはわずかに唇の端を上げた。
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