気まぐれイケメン上司に振り回されてます!
『しばらく、声をかけないでください』
わたしの言葉に腹を立てて、迷っていた気持ちを辞める方へ向けてしまったら――。

「景さん……!?」

ノックも忘れて景さんの作業ルームのドアを開けたけれど、そこに景さんの姿はなかった。

もう帰ってしまったのかな。
そう思いながら見た作業机が、なんだかいつもより綺麗に片付いている気がして……もしかして、辞めるために整理しているの……?

さらに不安が増して、どうしても今話がしたいと思った。
景さんに連絡するために、デスクに置きっぱなしにしているスマートフォンを取りに行こうと作業ルームを飛び出したとき、

「あ……いた。作業片付いたし、春ちゃんと話がしたいからデスク見に行ったんだけど、いないから探してたんだ」

景さんが通路から歩いてきていて、とにかく今の気持ちを伝えたり、話しをしたくて仕方ないわたしは、景さんに駆け寄って彼の腕を掴んだ。

「……なっ、おい、春ちゃん?」

そして景さんの作業ルームに引っ張り込む。
困惑した声を聞いても関係なかった。

とにかく、自分の気持ちを伝えないと……!

「っ……景さん、辞めないでっ……! わたし、景さんと一緒に仕事したいです! 離れたくないです、わたし、わたし、景さんのことが好きなんです……!」

伝えたい、と急いたわたしの言葉に景さんは驚いたように目を見開いた。
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