幼なじみの隣で不器用な恋を
リビングのテーブルに料理を運び終えると、眞紘くんは身を乗り出すようにして、料理を見回す。
「どれも美味そう…。俺が形づくったハンバーグが少し歪だけど…」
「でも、初めて作ったとは思えないぐらい、いい感じの仕上がりだよ!眞紘くん、料理男子になれそう。」
「花奏は料理の先生の素質あるかもな。教えるのも分かりやすいし、モチベーション上がるように褒めてくれるからさ。」
「そ、それは相手が眞紘くんだからだと思う。他の男の子じゃ、あんな風に丁寧に教えられない気がするから…」
目を見開いた眞紘くん。
少し沈黙した後、料理に視線を移した。
「料理、食べ始めるか!花奏も、お腹空いただろ?」
「う、うん。」
両手を合わせて“いただきます”と言って、サラダを口に運ぶ眞紘くんをジッと見つめる。
今、不自然な感じで目を逸らされたような…。
いやいや、考え過ぎだよね。
気のせいだよ、気のせい。