幼なじみの隣で不器用な恋を
「お待たせ……って、花奏…どうした?」
「眞紘くん、無理しなくていいから…もう休んで?」
「えっ?」
「体調、良くないんでしょ…?ごめんね、我慢させちゃって。」
眞紘くんはキョトンとした顔で瞬きを繰り返す。
「いや、体調は全く悪くないけど…」
発せられた言葉に、私は“えっ!?”と大きな声を上げてしまった。
「でも、眞紘くん…いつもと様子が違うよ。口数も少ないし、目も逸らしてばかりだし、それに“緊張以上にツラい闘い”って言ってたよね?だから、具合悪いの隠してるんじゃないかと思って。」
気になったことを正直に伝えると、眞紘くんは気まずそうに笑う。
「俺の言動のせいで、花奏を心配させてごめん…。でも、本当に体調は良いから。理由、ちゃんと話すから、とりあえず座ろう?」
コクンと頷く私はゆっくりと座る。
眞紘くんも私の隣に座ると、テーブルにケーキの箱を静かに置いた。