幼なじみの隣で不器用な恋を
「眞紘くん、その箱……」
「誕生日おめでとう。これは、花奏へのプレゼントなんだ…。開けてみて?」
二人で楽しく料理をして、大好きなお店の誕生日ケーキまで用意してくれて…。
もう充分過ぎるぐらいのプレゼントを貰ったのに…。
ゆっくりと小箱に手を伸ばす。
箱を開けた私は目を大きく見開いた。
「これっ、指輪……」
中に入っていたのは、小花柄の模様が彫られたシルバーリング。
綺麗…。
こんなに素敵なもの、貰ってもいいの…?
ジワリと目頭が熱くなっていく。
眞紘くんは、キラキラ輝くシルバーリングを手に持つと、私の左手の薬指に静かにはめた。
「この先、楽しいことばかりじゃないかもしれない。だけど、どんな時も俺が花奏を支えるし、守り抜く。今は未熟なところが多い俺だけど、もっと内面を成長させて強くなるから……」
真剣な眼差しが私に向けられる。
「未来の俺と、結婚して下さい…」
瞬く間に滲んだ視界。
温かい雫が頬をつたった。