密星-mitsuboshi-
そこへ最後に店を出てきた三木に堤が気づき声をかけた
「三木くんカラオケどうする?」
「いや~僕は歌が苦手なので、
ここで帰ります」
三木は頭をかいて笑った
「そうだったね、三木くんは食べ専
(食べる専門)だったね~
あ!それじゃ三木くん、
早紀ちゃんも帰るから駅まで送って
あげてよ」
「え!いや、私はっ」
「わかりました!」
早紀の言葉が終わる前に三木が答え、にこにこ笑った
避けたつもりが、あろうことか2人きりになってしまった
カラオケへと繰り出した一行の背中を見送り、
振り返った美加の心配そうな目に、
“大丈夫”と口文字で返し笑顔で手を振った
「行きましょうか」
人のいい笑顔を向けられ早紀は三木のとなりに並んで歩き出した
「間野さんは林田と仲が
いいんですよね?」
「え?」
「林田は僕のチームで一緒に仕事を
してるので、間野さんと河野さんの
ことは林田から聞いて知ってました」
「あー…そうだったんですね」
(なんだ、初めから知ってたんだ…)
「林田はいい奴ですよね。
ああみえて仕事もできますし、
チーム長として彼には物凄く
助けてもらってます」
「チーム長…
三木さんチーム長なんですか?」
「はい。でも名ばかりで
チームのメンバーに助けられて
ばっかりですけど
…それより今日のイタリアン!
美味しかったですね」
「あぁ、そうですね
全部美味しかったですけど
私は」
「ピザ!!」
「え?」
「ピザじゃないですか?!」
「そうです
マルゲリータがすごく美味しか
ったなって」
「やっぱり!僕もそう思いました。
あれは美味しかったな~
特に生地!」
「コンガリなのにモチモチで、
特製のトマトソースがぴったり
北島さんも1人で一皿全部食べて
ましたね」
「そうそう!気持ちわかります
他には何が美味しかったですか?」
「うーんそうですね、リゾットかな
トマトリゾットとチーズリゾット
両方とっても美味しかったんです
けど、私は」
「チーズの方ですか?」
「はい!断然チーズです」
「やっぱり!
何か間野さんとは
美味しいと思うポイントが同じ
みたいで嬉しいです!
あの、僕最近すごく気に入ってて
よく行くお店があるんですけど
そこの料理がまた美味しいんです
よかったら今度一緒に行きませんか?」
「えっ、あー…」
思わぬ誘いに言葉がつまる早紀
三木はお構いなしに続ける
「間野さんなら絶対美味しいと言って
くれると思うんですよ!
ねっ?行きましょうよ!」
(マズイ…調子に乗りすぎた…
ここまで盛り上がっておいて断りずらい…)
三木は自分のスマホをのスケジュールを開き
「僕、水曜日朝勤で定時で仕事終われ
そうなんです。
間野さん水曜日は予定どうですか?」
と子供のような顔を向けた
「そーですね…えーと」
言葉を探して目が泳ぐ早紀を見て
三木はふと素顔に戻った
「あ…すいません。一方的に
ついいつもの癖が…」
「癖、ですか?」
「はい…
管理部はお客様に支払催促するの
が仕事です
話ができたお客さんに入金してもら
う日をこちらから組んでいかないと
なかなか入金にならないんです。
“何日はどうですか?”
“何日までに検討してください”
“何日までに出来ないようなら一度
連絡下さい”とか
お客さんとの繋がりが切れないよ
うに区切って話していくんです。
そのせいでつい日にちまで組んでし
まうのが癖になってて
すいません、強引でしたよね」
本当に申し訳なさそうに萎れる顔を見て早紀は何だか悪いことをしている気になった
彼氏はいないと言ってしまった手前、断る理由も見つからない
「あ…大丈夫です。水曜日」
つい返事をしてしまった
「本当ですか?!嬉しいです!」
萎れていた花がぱぁっと咲いたかのように笑った三木に
早紀もつられて笑顔になった
駅に着き、改札を抜けると三木は
「ホームまで送ります」
と早紀の乗る京浜線のホームに続く上りのエスカレーターに向かおうとした
「いえっ!
ここで大丈夫です!」
慌てて三木を止めると
「…わかりました!
では水曜日楽しみにしています
また明日会社で」
三木はそう言って片手をあげてニッコリと笑った
早紀も笑顔で軽く会釈をし、
上りエスカレーターに乗った
ホームに上がると、丁度ドアが開いた状態で電車が停まっていた
早紀が乗り込むとすぐに発車ベルが鳴りドアが閉まった
「三木くんカラオケどうする?」
「いや~僕は歌が苦手なので、
ここで帰ります」
三木は頭をかいて笑った
「そうだったね、三木くんは食べ専
(食べる専門)だったね~
あ!それじゃ三木くん、
早紀ちゃんも帰るから駅まで送って
あげてよ」
「え!いや、私はっ」
「わかりました!」
早紀の言葉が終わる前に三木が答え、にこにこ笑った
避けたつもりが、あろうことか2人きりになってしまった
カラオケへと繰り出した一行の背中を見送り、
振り返った美加の心配そうな目に、
“大丈夫”と口文字で返し笑顔で手を振った
「行きましょうか」
人のいい笑顔を向けられ早紀は三木のとなりに並んで歩き出した
「間野さんは林田と仲が
いいんですよね?」
「え?」
「林田は僕のチームで一緒に仕事を
してるので、間野さんと河野さんの
ことは林田から聞いて知ってました」
「あー…そうだったんですね」
(なんだ、初めから知ってたんだ…)
「林田はいい奴ですよね。
ああみえて仕事もできますし、
チーム長として彼には物凄く
助けてもらってます」
「チーム長…
三木さんチーム長なんですか?」
「はい。でも名ばかりで
チームのメンバーに助けられて
ばっかりですけど
…それより今日のイタリアン!
美味しかったですね」
「あぁ、そうですね
全部美味しかったですけど
私は」
「ピザ!!」
「え?」
「ピザじゃないですか?!」
「そうです
マルゲリータがすごく美味しか
ったなって」
「やっぱり!僕もそう思いました。
あれは美味しかったな~
特に生地!」
「コンガリなのにモチモチで、
特製のトマトソースがぴったり
北島さんも1人で一皿全部食べて
ましたね」
「そうそう!気持ちわかります
他には何が美味しかったですか?」
「うーんそうですね、リゾットかな
トマトリゾットとチーズリゾット
両方とっても美味しかったんです
けど、私は」
「チーズの方ですか?」
「はい!断然チーズです」
「やっぱり!
何か間野さんとは
美味しいと思うポイントが同じ
みたいで嬉しいです!
あの、僕最近すごく気に入ってて
よく行くお店があるんですけど
そこの料理がまた美味しいんです
よかったら今度一緒に行きませんか?」
「えっ、あー…」
思わぬ誘いに言葉がつまる早紀
三木はお構いなしに続ける
「間野さんなら絶対美味しいと言って
くれると思うんですよ!
ねっ?行きましょうよ!」
(マズイ…調子に乗りすぎた…
ここまで盛り上がっておいて断りずらい…)
三木は自分のスマホをのスケジュールを開き
「僕、水曜日朝勤で定時で仕事終われ
そうなんです。
間野さん水曜日は予定どうですか?」
と子供のような顔を向けた
「そーですね…えーと」
言葉を探して目が泳ぐ早紀を見て
三木はふと素顔に戻った
「あ…すいません。一方的に
ついいつもの癖が…」
「癖、ですか?」
「はい…
管理部はお客様に支払催促するの
が仕事です
話ができたお客さんに入金してもら
う日をこちらから組んでいかないと
なかなか入金にならないんです。
“何日はどうですか?”
“何日までに検討してください”
“何日までに出来ないようなら一度
連絡下さい”とか
お客さんとの繋がりが切れないよ
うに区切って話していくんです。
そのせいでつい日にちまで組んでし
まうのが癖になってて
すいません、強引でしたよね」
本当に申し訳なさそうに萎れる顔を見て早紀は何だか悪いことをしている気になった
彼氏はいないと言ってしまった手前、断る理由も見つからない
「あ…大丈夫です。水曜日」
つい返事をしてしまった
「本当ですか?!嬉しいです!」
萎れていた花がぱぁっと咲いたかのように笑った三木に
早紀もつられて笑顔になった
駅に着き、改札を抜けると三木は
「ホームまで送ります」
と早紀の乗る京浜線のホームに続く上りのエスカレーターに向かおうとした
「いえっ!
ここで大丈夫です!」
慌てて三木を止めると
「…わかりました!
では水曜日楽しみにしています
また明日会社で」
三木はそう言って片手をあげてニッコリと笑った
早紀も笑顔で軽く会釈をし、
上りエスカレーターに乗った
ホームに上がると、丁度ドアが開いた状態で電車が停まっていた
早紀が乗り込むとすぐに発車ベルが鳴りドアが閉まった