密星-mitsuboshi-
「うわー
朝からタクシーで乗り付けるなん
て感じ悪い」
美加は早紀の気持ちを思って毒を吐いた
早紀は苦笑いを返し、里緒の少し後ろを歩く渡瀬の姿を目で追った
その時、そばにいた社員に挨拶をされた渡瀬の顔が、
一瞬早紀の方を向いた
早紀は自分に気付くかと息を飲んだ
だが渡瀬は、軽く挨拶を返すとそのまま社屋へ入って行った
早紀は自分がその場に取り残されたような、忘れられたようなそんな感覚を覚えた
2人が一緒の所を見ることだってある
そんなのは解っていたこと
自分からこのままでいいと言ったことを早紀の心は後悔し始めていた
オフィスに入り、早紀は自分の席に座ると、無性に喉が渇いていた
今日に限って何も飲み物を用意してないことに気づき、
早紀はスモーキングルームの隣にある自販機へと向かった
ペットボトルの水を買い、その場で開けて口に含んだ
冷たい水が口から喉をひんやりと通りぬけると、早紀の気分も落ち着いて行った
「おはようございます
間野さん!」
その声に振りかえると、そこには昨日と変わらず優しげな笑顔をした三木が立っていた
早紀は口に含んだばかりの水を慌てて飲み込み
「っっ!おはようございます」
三木の挨拶に応えた
「すいません驚かせてしまい
ましたか?
喫煙室から出る時に
間野さんの姿が見えたもので
すから
つい声をかけてしまいました」
「あーいえ、大丈夫です」
早紀は笑いながら手の甲で口元を拭った
「昨日はありがとうごさいました
楽しかったですね」
「そうですね。
こちらこそありがとうござい
ました」
軽く頭を下げ、目線を三木に戻すとスモーキングルームを出た渡瀬と林田の姿が早紀の目に入った
出てすぐ渡瀬は林田にライターをポンと投げた
キャッチし損ねたライターが林田の手を跳ねて三木の足元後ろに滑り混んできた
三木はそれに気づいてライターを拾うと、すぐに林田がこちらへやってきた
「あ、ミッキー!
それ俺のライターなんだ~」
「はい、飛んできたよ」
「うん手が滑って
…あれ、間野ぢゃん!」
三木の手からライターを受け取った林田が早紀に気がついた
「お、おはよう林田さん。
てゆうか…ミッキー?…」
「あ?ミッキー?
三木さんのあだ名だよ?
いつも笑顔だから」
「あだ名って…
しかも由来が全然意味わかん
ないし…」
「そんなことより
間野とミッキーは知り合い?」
林田は三木と早紀を交互に見た
「そう、昨日知り合って、
今度一緒にごは…」
そう三木が言いかけた時、
「おい林田!!行くぞっ!!」
廊下の方で渡瀬の怒鳴る声が響いた
「おぉヤバっ!行かないと。
またなっ間野!」
林田は早紀にてを振ると廊下へと急いだ
「渡瀬課長、
今日は機嫌が悪そうですね
僕も行かないと。
それでは水曜日、
楽しみにしています」
三木も軽く手をあげて、いつもの笑顔でオフィスへと戻って行った
三木と一緒にいるところを渡瀬に見られただろうか
早紀の気持ちがざわついた
するとポケットが震えた
見ると、ロッカーにしまい忘れたスマホがメールを知らせていた
『発信者:渡瀬孝久
今夜21時、東京駅で。
食事でもしよう』
早紀はそのメールを読むと口元に笑みがこぼれた
メールのタイミングから、
やはり三木といるところを見て嫉妬し、早速誘いのメールを送ったのがよく分かった
早紀はそのまま画面を閉じオフィスに戻り、返信せずにスマホをロッカーにしまった
早紀のデスクから見える渡瀬の横顔。
席に着くと見てしまうのがクセになっているが
早紀が顔を上げると、空中で渡瀬と視線が重なった
思わず目を逸らした早紀は平静を装いパソコンに向かった
朝からタクシーで乗り付けるなん
て感じ悪い」
美加は早紀の気持ちを思って毒を吐いた
早紀は苦笑いを返し、里緒の少し後ろを歩く渡瀬の姿を目で追った
その時、そばにいた社員に挨拶をされた渡瀬の顔が、
一瞬早紀の方を向いた
早紀は自分に気付くかと息を飲んだ
だが渡瀬は、軽く挨拶を返すとそのまま社屋へ入って行った
早紀は自分がその場に取り残されたような、忘れられたようなそんな感覚を覚えた
2人が一緒の所を見ることだってある
そんなのは解っていたこと
自分からこのままでいいと言ったことを早紀の心は後悔し始めていた
オフィスに入り、早紀は自分の席に座ると、無性に喉が渇いていた
今日に限って何も飲み物を用意してないことに気づき、
早紀はスモーキングルームの隣にある自販機へと向かった
ペットボトルの水を買い、その場で開けて口に含んだ
冷たい水が口から喉をひんやりと通りぬけると、早紀の気分も落ち着いて行った
「おはようございます
間野さん!」
その声に振りかえると、そこには昨日と変わらず優しげな笑顔をした三木が立っていた
早紀は口に含んだばかりの水を慌てて飲み込み
「っっ!おはようございます」
三木の挨拶に応えた
「すいません驚かせてしまい
ましたか?
喫煙室から出る時に
間野さんの姿が見えたもので
すから
つい声をかけてしまいました」
「あーいえ、大丈夫です」
早紀は笑いながら手の甲で口元を拭った
「昨日はありがとうごさいました
楽しかったですね」
「そうですね。
こちらこそありがとうござい
ました」
軽く頭を下げ、目線を三木に戻すとスモーキングルームを出た渡瀬と林田の姿が早紀の目に入った
出てすぐ渡瀬は林田にライターをポンと投げた
キャッチし損ねたライターが林田の手を跳ねて三木の足元後ろに滑り混んできた
三木はそれに気づいてライターを拾うと、すぐに林田がこちらへやってきた
「あ、ミッキー!
それ俺のライターなんだ~」
「はい、飛んできたよ」
「うん手が滑って
…あれ、間野ぢゃん!」
三木の手からライターを受け取った林田が早紀に気がついた
「お、おはよう林田さん。
てゆうか…ミッキー?…」
「あ?ミッキー?
三木さんのあだ名だよ?
いつも笑顔だから」
「あだ名って…
しかも由来が全然意味わかん
ないし…」
「そんなことより
間野とミッキーは知り合い?」
林田は三木と早紀を交互に見た
「そう、昨日知り合って、
今度一緒にごは…」
そう三木が言いかけた時、
「おい林田!!行くぞっ!!」
廊下の方で渡瀬の怒鳴る声が響いた
「おぉヤバっ!行かないと。
またなっ間野!」
林田は早紀にてを振ると廊下へと急いだ
「渡瀬課長、
今日は機嫌が悪そうですね
僕も行かないと。
それでは水曜日、
楽しみにしています」
三木も軽く手をあげて、いつもの笑顔でオフィスへと戻って行った
三木と一緒にいるところを渡瀬に見られただろうか
早紀の気持ちがざわついた
するとポケットが震えた
見ると、ロッカーにしまい忘れたスマホがメールを知らせていた
『発信者:渡瀬孝久
今夜21時、東京駅で。
食事でもしよう』
早紀はそのメールを読むと口元に笑みがこぼれた
メールのタイミングから、
やはり三木といるところを見て嫉妬し、早速誘いのメールを送ったのがよく分かった
早紀はそのまま画面を閉じオフィスに戻り、返信せずにスマホをロッカーにしまった
早紀のデスクから見える渡瀬の横顔。
席に着くと見てしまうのがクセになっているが
早紀が顔を上げると、空中で渡瀬と視線が重なった
思わず目を逸らした早紀は平静を装いパソコンに向かった