プリテンダー
「ああそうだ。肝心な事を忘れるところだった。」

まだ何かあるのか?

肝心な事なら先に言え!

「肝心な事って?」

「有澤会長からの伝言。」

お祖父様からの伝言って…なんだ?

むちゃな話でなければいいんだけど。

杏さんは険しい顔をして、コーヒーを一口飲んだ。

「それで、お祖父様は一体なんとおっしゃったの?」

杏さん、お嬢様っぽい…。

「二人の間に子供ができたら結婚を認めるって。」

「えっ?!」

子供ができたら、って…。

どう考えてもできるわけない。

子作りどころか、それらしい事なんかしてないんだから。

「老い先が短いから、もちろんいつまでも待たないって。」

「老い先が短いからなんて失礼な!」

「有澤会長ご本人がそうおっしゃったんだよ。3ヶ月だけ待ってやるから、おまえたちの本気とやらを見せてみろ、だってさ。」

3ヶ月って…。

普通に結婚して子作りしている夫婦でも、3ヶ月では短いんじゃないか?

「3ヶ月経っても杏に妊娠の兆しがないようなら、有澤家に戻って俺と結婚しろって。」


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