すべてが思い出になる前に



電話での会話はまだ続いていた。



「おぃ、涼太がいいって‼︎」



電話越しでなんとなくだが、翼の近くには他に誰かがいるようだ。



何か嫌な予感がする。


いや、嫌な予感しかしない。




「じゃあ今から行くから!部屋掃除しといてくれ!」


「言われなくても、もうしてますけど‼︎あと、俺の家分からないよな?」


「大丈夫大丈夫だから、心配すんなって‼︎」


「なんでお前が知ってんだよ‼︎」


「もうすぐつくから、玄関開けろよ‼︎」



ブチっと電話が一方的に切れ、携帯をポケットにしまった。



はぁ…と溜め息をつきながら、部屋の隅に置いていた掃除機を手に掃除をし始めた時だった。






< 106 / 369 >

この作品をシェア

pagetop