すべてが思い出になる前に
電話での会話はまだ続いていた。
「おぃ、涼太がいいって‼︎」
電話越しでなんとなくだが、翼の近くには他に誰かがいるようだ。
何か嫌な予感がする。
いや、嫌な予感しかしない。
「じゃあ今から行くから!部屋掃除しといてくれ!」
「言われなくても、もうしてますけど‼︎あと、俺の家分からないよな?」
「大丈夫大丈夫だから、心配すんなって‼︎」
「なんでお前が知ってんだよ‼︎」
「もうすぐつくから、玄関開けろよ‼︎」
ブチっと電話が一方的に切れ、携帯をポケットにしまった。
はぁ…と溜め息をつきながら、部屋の隅に置いていた掃除機を手に掃除をし始めた時だった。