すべてが思い出になる前に





翼の着信がポケットの中で、携帯のマナーモードが鳴っていた事に気付いていた涼太だったが、場所が場所だけに出れずにいた。



研究が進んでいなかった分、論文も遅れていた為、教授に呼ばれていた。


教授室で研究の報告をしており、研究結果をまとめたプリントに目を通す教授を目の前に息を呑む涼太だった。



「よし、いいだろう」


「はい、ありがとうございます‼︎」


「後もう少しだな、頑張れ‼︎」



深くお辞儀をして教授室を後にした。


腕時計を見て時間を確認して、廊下を走り出し、ロッカーへ戻り荷物を持って駐輪場へ向かう。


自分のクロスバイクに跨り、テニス場へ颯爽とペダルを漕いだ。


赤信号で止まり、ポケットから携帯を取り出して翼にメールを打った。







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