すべてが思い出になる前に
「そうだ、友理奈にこれを渡しておかないと…」
涼太は玄関先でズボンのポケットにゴソゴソと手を入れ、鍵を取り出して友理奈に鍵を渡した。
「友理奈に持ってて欲しい」
手渡したものは、涼太の家の合鍵であった。
「私が持ってていいの?」
「絶対に無くすなよ」
「分かった、無くさないように努力する」
「何だよ、努力って⁉︎」
友理奈は笑いながらキッチンに立ち、晩御飯の準備を始めた。
「今日は鱈のホイル焼きにしようと思って。涼太は昔からホイル焼き好きだったよね、あとアサリのバター焼きも‼︎」
「そうそう‼︎よく覚えてるな。腹減ったから俺も何か手伝うよ」
2人は楽しそうにキッチンで晩御飯を作り、テーブルを囲んで食べた。