すべてが思い出になる前に
電話越しで明るいトーンで話す友理奈だったが、2ヶ月間と決められた留学は涼太にとって、日本で培った知識と技術を試すいい機会でもある。
大学院を修了する前のとても大事な時期だと思うからこそ、彼の考えや気持ちを尊重してあげたい。
* * *
後日、仕事終わりに涼太は友理奈の家を訪ねた。
仕事がハードでも時間を作って会いに来た涼太は、絶対疲れているはずなのに、それを見せないように爽やかな笑顔で振る舞っていた。
涼太の良いところは、朝起きたときや昼休み、帰宅時など時間を見つけてマメに連絡してくれる。そんな彼の行動にも「愛されてる」と実感していたのだが…
「涼太に話したいことがあるの」
「何?どうしたの?」
2人はリビングのソファ一に腰掛け、友理奈は一言率直に気持ちを伝えた。
「あのね…」