すべてが思い出になる前に
「留学で2ヶ月間行っている間、私の事は一切忘れて、研究の事だけを考えて集中して欲しいの。中途半端な気持ちだと、仕事も手につかないでしょ?」
「本当にいいのか?連絡とらなくても?」
「大丈夫‼︎一番大事な時なのに折角のチャンスを、涼太の夢を邪魔したくない。涼太にはアメリカで頑張って来て欲しいの」
気丈に振る舞う友理奈だったが、寂しさをひた隠しているくらい涼太には分かった。
思わず友理奈を抱きしめた涼太は、低い声で友理奈の耳元で囁いた。
「あんま無理すんなよ」
伝わってくる涼太の鼓動と言葉にドキドキが止まらない。
どんどん熱くなってくる頬を涼太の胸に寄せて、友理奈はそっと目を閉じた瞬間に自然と左目から一粒の涙が静かに頬を伝って流れた。