すべてが思い出になる前に
数日後のFM21:00
隠れ家風のカフェで茜をランチに誘った。
「久しぶり、私も友理奈を食事に誘おうと思ってたの。最近どう?涼太と仲良くしてる?」
マグカップに入ったコーヒーが目の前のテーブルに置かれ、友理奈は両手でマグカップを添えて一口飲んだ。
「涼太はつい最近、研究でアメリカに2ヶ月間留学に行ったよ」
「そうなの、頑張ってるんだね」
茜は友理奈の表情を伺いクスッと笑い、友理奈はどうして茜が笑ったのか分からず、首を傾げた。
「なんかさ、友理奈が留学したって話しを初めてした時、涼太が凄い落ち込んでた表情と全く一緒。なんだかんだ言って涼太は、涼太なりに心配してたんだろうね」
仲が良かった友達にさえ、自分が留学する事を伝えていなかった。そして携帯を無くしてデータが初期化になり音信不通になってしまった事を今でも後悔している。