すべてが思い出になる前に
数年後、たまたま空港に居合わせた涼太が働いているところを見つけてくれたから、茜や翼、照史に再会するキッカケにもなり、今の自分がいるんだと。
「でもそれぐらい自分の事を心配してくれる人がいるって素敵な事だと思うよ」
茜は微笑みながらコーヒーを口にした。
「茜は最近何かあったの?」
「私?そうね…もう私達27歳でしょ?周りが次々と結婚しだして、子供がいてもおかしくない年齢だから、少し焦りを感じてる」
茜は今の仕事に誇りを持っていて、根も真面目。アナウンサーらしく清楚で気品もある。
バリバリのキャリアウーマンであるが故に、周りの男性からは近づき難いと思われてるのかもしれない。
「焦らなくてもいいんじゃない?見極める事は大事だと思う。この年齢だと、誰だって慎重になるよ」
「そうだね」
茜は落ち着いた声で返事をした。