すべてが思い出になる前に





「メール送ったんだけど見てくれた?」


「メール?」



友理奈と茜は顔を見合わせて、首を横に傾けた。この様子だとメールに気付いていないと悟った涼太は話を進める。



「再来週、県大会予選が鳥ヶ濱スタジアムであるから観戦に来ないかって内容だったんだけど…」


「へぇ、今年の会場は近いのね」



革のカバンから手帳を取り出した友理奈を見て、遠慮気味に涼太は言う。




「補習とか仕事もあると思うし、別に無理しなくて来る必要はないからな」


「いいや絶対応援に行く、約束する‼︎」



友理奈は満面な笑みを見せ、涼太は持っていたテニスボールを握り締めた。




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