すべてが思い出になる前に
入院生活2週間目のある日、友理奈が一人で涼太の病室を訪れた時だった。
「涼太、体調の方はどう?」
「まぁまぁかな。ここにいるとすることなくってさ退屈すぎる。あぁ~早くテニスしたい」
てっきりテニスを辞めるのとか何とか言い出すかと思い、少しホッとした。
「その肩でまたテニス出来るの?」
「医者からは無理って言われてるけど、俺は絶対に諦めない。まだ友理奈達にてっぺん取ったところ見せてないからさ。その為にもリハビリ頑張んないとな」
涼太はテレビ台に置いていたテニスボールを手に取り、天井に当たるくらい片手で高く投げた。