すべてが思い出になる前に
平日のいつもと変わらない明学。
放課後のチャイムが鳴った瞬間に、涼太は鞄を背負って教室を出ようとした途端、黒板を消していた翼から声をかけられた。
「今日も図書館に行くのか?」
「なんで俺が図書館に行ってるのを知ってんだよ⁉︎」
「噂になってるぞ、友理奈といるところ」
「えっ、そうなの?」
「しゃーないな、俺も行ってやるよ‼︎」
「何でついてくんだよ、翼はノー勉でも大丈夫だろ」
「受験生はそんなことしねーって」
この日から翼と一緒に図書館に行くことが増えた。
勉強室で一生懸命問題を解いている隣で、翼は案の定スヤスヤ寝ていた。
「寝に来てるのかよ…」
隣で寝ている翼はそっとしておき、涼太は問題を解いていたが、煮詰る時もしばしばあった。