すべてが思い出になる前に
3秒ほどだっただろうか、時が止まったかの様な感覚に陥った。
そして、ドキドキと鼓動が早くなるのが自分でも分かるほどだった。
パッと顔を上げた友理奈は、少し頬が赤くなっていた。
「どうしたんだよ、顔が赤いけど?」
「何んでもない‼︎」
そのまま友理奈は後ずさりをして、勉強室の奥に入って行った。
何が起こったのか分からない涼太は、右手で自分の首元に手をやった。
隣で寝ていた翼のいびきが一瞬止まり、ムクッと起き上がった。
「あれ、俺寝てた?」
「大きないびきかいて寝てたよ」
「あ〜、よく寝た‼︎」
学ランを椅子の背もたれにかけて、腕まくりをした翼はやっと問題集を開き始めた。