one more chance――美少年は女総長――
再会
2、3時間が経ち目的地に着いたが、まだ誰も着ていなかった。
「まだ誰も着てないね」
「そうだな」
みんな捕まってなければいいんだけど。
そんなことを考えていると愁が口を開いた。
「なぁ」
?
「伶が転校してきた日、言った事覚えてる?」
転校してきた日?
何の事だろ?
疑問に思っていると。
「俺と付き合ってって」
!?
「・・・あっー!!」
そういえば言ってた
なんて事思い出させるんだ。
「伶?」
後ろから名前を呼ばれ、振り向くと…
「隼人・・・・・・」
隼人がいた。
するとその後ろから「隼人~」と聞こえ隼人の元へやってくる柚原。
柚原は俺を見ると隼人の腕にしがみつく。
「隼人、私怖い・・・」
は?
「あのね・・・この人、私の学校……同じクラスに転校してきたの・・・・・・」
震えながら涙を流す。
隼人がこの嘘に気づく事を少しだけ期待してしまった。
叶うわけもないのに・・・
隼人が柚原を自分の後ろに隠すかのように立った。
やはり叶うわけがなかった。
「龍(うち)の姫に何かしたら許さない」
隼人の後ろでニヤッと笑う柚原。