LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
ファッションビルSOU‐ZUIは、エントランスが点灯されていた。
ビル全体は暗いのに、道しるべのような照明だけが煌々《こうこう》としている。
明かりの下、エスカレータが稼働しているのが見えた。
アジュさんは運転席で、ぼくたちに敬礼した。
「健闘を祈る。宝珠の話となると、大人も子どももない。何の助けにもなれなくて、すまないな」
みんな、かぶりを振った。
改めて言われなくても、わかっている。
ぼくは微笑んで、アジュさんに敬礼を返した。
「車を出してもらっただけで十分ですよ。終わったら連絡しますから、迎えに来てください」