押しかけ社員になります!

お父さんもお母さんも緊張していた。部長も心なしか緊張が見えた。

部長の将来的な立場。離婚歴がある事。両親の今の事。部長は全て話した。
お父さんは部長と二人で話させて欲しいと言った。

お父さんは言った。
挨拶に来てくれたけれど、付き合いにも結婚にも反対だと。
部長はまた来ます、と言った。
不思議とピリピリした感じはしなかった。
どちらの言葉も、こうなるって解っていたからだろうか。
だけど、…賛成では無い事に変わりない。今だって、つき合っている事を反対する訳だから。

お父さんの気持ちが変わる事ってあるのだろうか。
自分達が変わるものも無ければ、親の気持ちも変わる様子もないだろう。
このままなら永遠、ずっと平行線のままって事よね。

…ずっと反対されながら、気が付いたら、今のままで人生終わるのかしら。……こんなので…前向きな気持ちになれるのかしら。


「青柳さん、随分お若い頃の離婚です。離婚されてから今まで、結婚をされようとは思われなかったのですか?」

「はい。若いうちは仕事を頑張ろうと…、気持ちは女性に全く向かせようとしませんでした。好きになろうとか、全く思いませんでしたから。
…これは逃げでもあったと思います。同じような事をする女性ばかりが居る筈も無いのですが。ただ、立場上、見合い話はずっと持って来られました。興味が無かったので全く受け付けませんでした」

「妙な聞き方で申し訳無いのですが、では何故、女性とと言うか、和夏と…その、つき合おうとなったのでしょう」

「娘さんが、真っ直ぐに、好きだと私を攻めてくれたからです」

「…え?和夏が?ですか?」

「はい」
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