押しかけ社員になります!
「和夏、貸してごらん…」
「はい」
部屋に戻り指輪を取り出していた。部長が指輪を手にして、さっきのお店のように嵌めてくれた。
手タレさんくらい綺麗な手ではない。…だけど、はぁ、何だか自分の手も少し違って見える気がした。
……あ、え?部長?…。嵌めた指輪に気を取られていた。
私の首にネックレスが…。
後ろから…部長が留め金を入れたところだった。
「同じ石のものだよ。うん、これも良く似合うな。
いつも有難う、和夏。こんなものでは感謝しきれないくらい感謝している。有難う」
「……部長…どうして、こんな…私は別に、何も要らない…」
「んー、和夏が好きだから。ごめんな…、今まで何もプレゼントして無くて。うっかりし過ぎだよな。ごめんな」
「あ、そんな、…私は何も要らないですよ?部長が居てくれるなら、他に何も要らないんですから。本当ですよ?だって、私には部長は過ぎた人なんですから。こうして居られる事が嘘みたいなんですから」
「目茶苦茶好きか?」
「はい。有り得ないくらい好きです。ずっと好きなんですから」
「…はぁ…。西野。…駄目人間になりそうだ。俺を甘やかし過ぎる…」
西野の前だと俺は子供と同じだ…いい歳のおっさんが…。
「いいんです。部長はみんなに厳しいんですから。誰かに甘えないとバランスが取れません」
「その誰かはずっと西野でいてくれるか?」
「はい。持ちつ持もたれつです。私だって、何もかも、部長に甘えてますから」
「和夏…腹を括ってくれないか」
「え?」