その背中、抱きしめて 【上】
「おいしー」
紅茶を一口飲んで、温かさと甘さで落ち着いた。
「雷も雨も止みませんね」
まだ雷の低い轟と、窓を打ち付ける大粒の雨音は大きいまま。
「先輩、男1人しかいない家にノコノコ上がってきちゃだめですよ」
「な…!?」
だって、高遠くんが上がって行けって…!
「男なんて目の前に女がいたら何するかわかんないんだから。襲われますよ」
他の男の家になんて上がらないよ。
「高遠くんはそんなことしないもん」
何もしないことわかってるし、信じてるもん。
「…わっ!…んんっ…」
また熱いキス。
唇も、舌も、熱い。
首に長い指が触れる。
もう片方の手が服の下から背中を支える。
「んっ…!ちょっ…高、遠くん…!」
高遠くんの胸を手で押してもびくともしない。
これが男の人の力だ。
背中に回ってる手が脇腹を通って前に来る。
ダメダメダメダメ!!!!
前はダメ!!!
「待っ…て!っ…ふ…」
ようやく高遠くんの唇から逃げられて、息が上がったまま高遠くんを至近距離で睨んだ。