その背中、抱きしめて 【上】



もう1度高遠くんに促されてショーケースを覗く。

「…これがいい」

それは、少し幅広でフラットな表面に2本ラインが入ったシンプルなデザインの指輪。

「お出ししますね。お色はホワイトゴールド、イエローゴールドとピンクゴールドががございます。幅も3.5mmと5mmの2通りございます」


私、アクセサリーなんて雑貨屋さんでしか買ったことないんですけど。

小さな可愛いお皿の上にジャラっとたくさん置いてあるような。

こんなところ、もっと大人になってからくるもんじゃないの??

(敷居が高すぎる…帰りたい…)

だんだん胃が痛くなってきた。。。


「先輩、全部つけてみて」

右手の薬指に全色嵌められた。

「ピンクゴールドが1番しっくりくるかな」

「そうですね。幅違いもつけてみましょうか」


固まってる私を残して、高遠くんと店員さんでどんどん話が進んでいく。

「じゃあ、先輩は細い方のピンクゴールドで。俺は太い方のホワイトでいいや」


(『でいいや』???)

何そのやっつけ感は。



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