その背中、抱きしめて 【上】



「あの野郎…何考えてんだ…」


帰りの電車の中でも、まだ高遠くんはイライラしてる。

こんなにイライラしてる高遠くん久しぶり…。

怪我した時以来かな。


…なんて悠長なことも言ってられないか。。。

私にも責任があるし…。


「高遠くん」

コートを引っ張る。

気付いた高遠くんが私を見下ろした。


「…ごめん…俺がイライラしてたらつまんないよね」

頭をポンっとされる。

私はただ…首を振った。


「大地がいきなりあんなこと言い出して、正直動揺した。余裕なくてごめん」

「ううん。私もびっくりして…っていうか、高遠くんに謝らなきゃいけないことがあるんだ…」


隠してたわけじゃない。

正直、高遠くんとやり直せて浮かれちゃってて…忘れてた。

でも言わなきゃいけない、清水くんに告白されたこと。



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