その背中、抱きしめて 【上】
しばらくして、清水くんが現れた。
公園の入り口からこっちに向かって歩いてくる。
(うー、緊張する…)
助けを求めるように、高遠くんのコートを指で引っ張った。
「大丈夫。頑張れ」
高遠くんが優しい顔で私の頭をポンと叩いた。
「遅ぇよ」
高遠くんが清水くんに向かって笑う。
(私には「遅い」って言うけど、やっぱり男の子同士だとちょっと言葉が悪くなるんだ)
普段あまり見られない高遠くんの意外な一面に、こんな状況で不覚にもキュンとする。
さっきの神社での2人とはまるで違う、楽しそうに話す高遠くんと清水くん。
女子だとあんな修羅場の後仲良くするとか無理だけど、男子は根に持たずにそれが出来るんだなぁ。
「ここまで来てもらったから何か飲み物おごってやるよ。コーヒーでいいよな。先輩は?何飲みますか?」
「…あ、じゃあココア」
高遠くんがあっちの方にある自販機に向かって歩いて行っちゃった。
清水くんと2人きりになって気まずい雰囲気が流れる。
(私と清水くんが話をするために、高遠くんはわざとここから離れたんだ…)
「話って何ですか?」
清水くんから切り出してきた。