その背中、抱きしめて 【上】
「何回も言うけど、重いでしょ?アイツ」
清水くんが笑う。
「重いと思ったことないよ」
重いって、束縛激しいとかそういう窮屈なことでしょ?
そんなの感じたことないよ。
「ほんとに?柚香先輩もしかして鈍感?それともMっ気あんの?」
「ひどっ!そんなことないよ」
失礼なこと言うんだから、もう。
「高遠くんは優しいよ。私が年上なのにしっかりしてないから道しるべになってくれるし。でも何を考えてるのかわからない時もあって、それで結構悩んじゃったりもしたけどね。私ネガティブだから」
離れてた3ヶ月、高遠くんが何を考えてるのかさっぱりわからなかった。
もう私のことなんて好きじゃないんだと思ってたのに、まさかのクリスマスイブ。
高遠くんは表情にもあまり出さないし言葉数も少ないから、なかなか気持ちを読み取ることができない。
「当の本人にはそんなもんなのかなぁ。俺から見たらあんなにわかりやすい奴いないと思うけど。でも柚香先輩が重く感じてないならいいのかな」
ピリリリリ。
スマホが鳴る。
「…俺だ。…って、あ。噂をすれば」
清水くんがスマホの画面を私に向ける。
画面には高遠くんの名前。
「もしもーし。おぉ、今?まだ体育館の近く。何でだと思う?」
清水くんが楽しそうに、でも高遠くんをからかうように話してる。
「柚香先輩と一緒なんだよ」
言っちゃった!!!
(言っちゃったよ、この子!!!)
あぁもう…絶対高遠くんに怒られる…。