その背中、抱きしめて 【上】
さっきより今の方が何十倍も緊張してますっ!!!
心臓バクバクで体が固まって声が出ない。
「黙ってないで言ってみ、先輩」
…言えるわけない。
お姉ちゃんに泊まって来なって言われて、それで色々考えちゃってるとか言えるわけがない。
「言わないならこの態勢のまま勉強させるよ」
「…っムリムリ!それはムリ!!」
(あ…声出た)
「じゃあ何。何緊張してんの?前に来た時はこんなんじゃなかったよね」
これは本気の質問なのか、それとも私のことをからかってるのか…高遠くんの表情からはわからない。
けど、言わないとこの状況から解放されないような気がする。
どいてくれないような気がする。
(私、勉強しなくちゃいけないのに…!!)
「…笑わない?」
「笑わないよ」
「…引かない?」
「引かないよ」
「…からかわない?」
「からかわないよ。俺がそんなことしたことある?」
知ってるよ。
高遠くんはいつもちゃんと私の話を聞いてくれること。
笑ったりからかったりしないこと、わかってるよ。
でも、今日のこれはちょっと別次元。
さすがにドン引きされそう。