その背中、抱きしめて 【上】
「先輩、今日泊まっていきなよ」
肩からダイレクトに伝わる声。
声とその言葉にクラクラする。
「何言って…んの?」
「うちも父親帰ってこないし。…俺、先輩とずっといたいんだけど、先輩は違うの?」
だって、泊まるって…そういうことでしょう!?
大人の階段上っちゃうってことでしょう!!?
私まだその覚悟ができてないんですっ!!!
縋るような目で高遠くんの方へ顔を向ける。
「……そんなに身構えなくていいよ。先輩の嫌がることしないから。ゆっくり待ちますんで」
そう言って高遠くんはふっと笑った。
「だから泊まっていきなよ。どうせ明日もここで勉強するんだし。ね?」
高遠くんは何でもお見通しだ。
私がまだ怖いのも知ってる。
だから、泊まっても絶対そういうことして来ないと思う。
(ほんとに優しいんだから…)
そんな優しい笑顔で言われたら、拒否する理由なんてなくなっちゃうよ。
「…うん、わかった」
初めてのお泊り。
(エッチなことはしないけど)一晩、高遠くんと過ごします。。。