その背中、抱きしめて 【上】



「じゃあ、この範囲の穴埋めできたらお昼にしようか」

高遠くんが時計を見てそう言う。

時刻は11時半になるところ。

「オッケー。満点取る!」


生物の授業で配られた穴埋め問題のプリント。

プリントは授業中に書き込んじゃったけど、後で先生にもう一枚もらっておいたんだ。

高遠くんが教科書と私のノートを見ながら要点を次々教えてくれる。

それを暗記してから望む穴埋め問題。

正直暗記は苦手だけど、高遠くんが覚えるべきところを絞ってくれたから気合い入れて暗記した。


頭に無理矢理叩き込んでからそんなに時間が経ってないから、スラスラ解けた。


「終わった!先生答え合わせよろしくっ」

答えを書いたルーズリーフを勢いよく高遠くんに差し出す。

「気合い入ってんね」

高遠くんが笑う。

「そうだよ。来月から受験生だからね!」


バレーの強豪大学のどこへでも入れる頭にならなきゃいけないんだから。


高遠くんと同じ大学行くんだから!!


(まだ高遠くんには言わないけど)



「オッケ。先輩、満点だよ」

「ほんとっ!?やったぁ!!」

高遠くんから渡されたルーズリーフには赤丸の他に、1番上に花丸があった。

「花丸もらったー!」

自分でも小学生かと思うけど、でもすっごい嬉しい花丸。


「先輩のそんな嬉しそうな顔久々に見た」


高遠くんが私につられて笑った。



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