その背中、抱きしめて 【上】



キッチンに立って、また緊張してくる。

料理があまり得意じゃないところへもってきて、人の家のキッチンとか。。。


あぁこんな時、彼氏の胃袋を掴める料理上手な女子ってポイント高いのになぁ…。


(自分にガッカリだわ…)


高遠くんが冷蔵庫を覗きながらつぶやく。

「だいたい俺一人だからあんま食材とかないんだよね。昼飯にできそうなの…うどんとかしかねぇか」



高遠くんの言葉の語尾って話す相手によって変えてるんだよね。

今の『だよね』は私に向けて。

『ねぇか』は男友達とか独り言の時。

ちゃんと女子に対しては優しい言葉遣いするんだよね。


私は高遠くんの男言葉とかカッコよくてキュンってしちゃうんだけどなぁ。

清水くんが一緒にいる時しか聞いたことなかったんだよね。


「うどんがあるなら、焼きうどんでもしようか」

焼きうどんなら私でも作れるから!

そして失敗する可能性が低い(笑)


「焼きうどん、いいね。俺好き。豚肉とかキャベツとか人参とか…あ、もやしもあったな」

高遠くんが冷蔵庫から食材をどんどん出してくる。

これだけあれば結構なボリュームになる。


「私、お肉から切っていくから、高遠くん野菜洗ってもらってもいい?」

「ん。わかった」


キッチンに2人並んで立って、笑いながらご飯を作るって…。

これって、これって。


(新婚さんみたいじゃない!!??)


考えて自爆。

顔が真っ赤になるのが自分でもわかった。



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