その背中、抱きしめて 【上】



「いただきます」

胸の前で手を合わせてから箸でうどんを掴む。

それを口に運ぶと、鶏ガラのいい匂いがした。


「おいしー」

「うん、うまい」


2人で笑い合う。

こういうのを幸せって言うんだろうな。


(結婚したら毎日こんななの?幸せすぎて死ぬんじゃないの?私)


私の目の前でおいしそうに食べる高遠くんを見てたら、胸がきゅうっとなった。


「夕方、夕飯の買い出しいかなきゃな」

「夕飯何にする?高遠くんの作ったご飯食べたいなー」

さっきの手際の良さ見たら、高遠くんが作ったご飯が食べたくなった。

だって、今晩を逃したらもう高遠くんの手料理食べれないかもしれないし。


「先輩も手伝ってくれるならいいよ」

「もちろん、手伝う手伝う」

「カレーかビーフシチューでも作る?」

「わーい!」


今日2度目の嬉しい出来事。

私の笑顔につられて高遠くんも笑った。


笑顔の連鎖って幸せだね。

クールな高遠くん、前はあんまり笑わなかったのに。

私に心を開いてきてくれたのかな。



だったら嬉しいな。



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