その背中、抱きしめて 【上】
夕飯はカレーにすることにして、駅前の大型スーパーで買い物をした。
手をつないで、高遠くんがカゴを持ってくれて、一緒に食材を選んで。
目眩がするほどの幸せな時間に酔いしれた。
スーパーを出てすぐに、あることに気が付く。
「高遠くんっ。駅ビルでちょっと寄りたいお店あって、すぐ終わるから少しだけ時間つぶしててもらっていい?」
「いいよ。本屋にでもいるから終わったら電話して」
「ありがと。ごめんね」
一緒に駅ビルに入ってから、高遠くんと3階で分かれて、私は4階へ猛ダッシュ。
下着買わなくちゃいけないのに気付いたんだ、さっき。
お泊りするのにお風呂入って下着取り替えないの気持ち悪くて。
(こんなことなら家から持ってくるんだったなぁ…痛い出費だ)
高遠くんを待たせちゃ悪いから、急いでランジェリーショップに入って物色する。
予算の範囲内で、好みの可愛いセットを買った。
濃いめピンクに大きなドット柄で白いレースがついたやつ。
(ちょっとくどいかな…高遠くんには絶対に見られないようにしよう)
いや、見られるわけないんだけど。
念のため、念のため。
(あ、そうだ)
お姉ちゃんにLINEしておこう。
お会計と梱包を待ってる間、急いでお姉ちゃんに”私も泊まる”ってLINEを打った。
お店に入ってから10分、エスカレーターに向かって早歩きしながら高遠くんに電話をかける。
『もしもし』
「高遠くん?お待たせ、終わったよ。どこ?」
『3階の下りエスカレーターのとこにいて。俺もすぐ行く』
「はーい」
エスカレーターに乗ったところでお姉ちゃんからLINEを受信した。
『キャーッ!!柚香もついに大人になるのねっっ♡♡♡』
(ちがーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!!!!!!)