その背中、抱きしめて 【上】
「また朝から頑張ればいいよ。そんな起きてんだか寝てんだかわかんない状態でやったって覚えられません。ほら、ベッド行きな」
高遠くんに肩をポンっと叩かれる。
「でもぉー…」
目は開いてない。
開けようと思っても全然開いてくれない。
「言うこと聞かないと襲うよ」
耳元で囁かれて、一瞬で目が覚める。
(何!?今、何て言った!!??)
「起きた?ほら、また寝ないうちに早くベッド行きな」
「高遠くん…今、何て…?」
「は?早くベッド行きなって」
違うよ、その前だよ。
「あの、言うこと聞かなかったらって…」
「あぁ」
高遠くんは座ったまま少し背中を丸めて目線を私と同じ高さにして
意地悪な笑顔で
「襲うよ。って言ったの」
って、長い指で私の顎をクイっと少し持ち上げた。
「!!!????」
「だから襲われないうちに早く寝なさい」
私の声にならない声と(おそらく)真っ赤になった(であろう)顔を前に、高遠くんが笑いをこらえながら私の頭をポンポンと2回叩いた。
何なの!!
今まで高遠くんそんなこと言うキャラじゃなかったでしょ!?
なに急に。
心臓がバクバク暴れ出して、眠気なんかとっくにどっかに行っちゃった。