その背中、抱きしめて 【上】
「私、床で寝るから高遠くん自分のベッドで寝て?」
「何言ってんの。そんなことさせられるわけないでしょ?先輩はベッド」
高遠くんのベッドなのに私が占領しちゃって高遠くんは床とか申し訳なさすぎる。
「でも…ほんと私大丈夫だから」
高遠くんは困ったように右手で頭をかいた。
「…じゃあ一緒にベッドで寝る?それならいい?」
「えっ!!!????」
それはちょっと!
いくら今まで健全(?)な交際をしてきたからって、一緒に寝るのはあまりにもハードルが…!
「先輩を床で寝させるわけにいかないっつってんの。なのに俺にベッド使えって言ってきかないし…。だったらそうするしかないじゃん」
こんなに困った顔してる高遠くん初めて見るかも。
そうだよね…高遠くんだって困るよね。
でも私も申し訳なくて高遠くんを床で寝させるなんてできないんだよ。
一緒に寝る覚悟を決める?
きっと…いや絶対高遠くんは何もしない。
だけどやっぱり一緒に寝るとかドキドキしちゃって、決心しないとできることじゃない。
色々考えちゃうけど、素直な気持ちは高遠くんと一緒にいたいんだ。
少しでも近くにいたいんだ。
「わかった。一緒に寝よう」
正座して背筋をピンと伸ばして。
一大決心して高遠くんにそう言った。