その背中、抱きしめて 【上】
シングルベッドに2人で寝るには、やっぱりそれなりに体を寄せ合わなきゃいけない。
すぐ触れるところ、息がかかるくらいのところに高遠くんがいて、心臓が爆発しそうなくらい音を立てた。
「先輩、緊張してる?」
高遠くんがふっと笑う。
「し、してるよ。心臓壊れそうだよ」
「俺もだよ」
高遠くんが私の手のひらを自分の左胸に当てた。
「…ほんとだ」
私だけじゃなかったんだ。
あんなに余裕そうだった高遠くんも緊張してるんだ。
「今日はしないけど、いつか先輩を俺にちょうだい」
部屋は暗いけど、目が慣れてきたから見える。
高遠くんの顔が赤いのも。
愛おしそうな目で私を見てるのも。
いつか、いつかね。
私の覚悟ができたら、その時は…
「うん、全部あげる」
目を見開いた高遠くんの唇に、自分の唇を重ねた。