その背中、抱きしめて 【上】
ふと目が覚める。
(今、何時ーーー…?)
何か体の上に乗ってる?
横っ腹のあたり重たい…。
横向きの体を仰向きに変えると視界の端に映り込む見慣れないもの。
(なっ!?)
一気に頭が覚醒する。
目と鼻の先には綺麗な顔で眠る高遠くん。
そして私の頭の下には高遠くんの腕。
私のお腹(さっきは横っ腹)の上にも高遠くんの腕。
そうだよ、寝ぼけてる場合じゃない!
私、高遠くんと一緒に寝たんだった!
(ていうか、私いつ寝落ちした!?)
「先輩?」
頭の後ろで少しかすれた声がした。
そーっと振り向いてみる。
超至近距離に寝起きの高遠くん。
「おはよ」
ちょっと眠そうな顔で、でも優しい声に包まれる。
「高遠くん、おはよ」
恥ずかしいけどそれ以上に幸せで、自然に顔がほころんだ。
ふいにぎゅっと抱きしめられる。
「た、高遠くん?」
「目が覚めたら目の前に柚香先輩がいるとか、幸せすぎてヤバい」
しばらく高遠くんの腕の中で、私も幸せを満喫した。