その背中、抱きしめて 【上】
「ごめん、私昨日いつ寝たかさっぱりなんだけど…」
申し訳なさと恥ずかしさで、おでこまで布団を上げる。
絶対、高遠くんの方が寝たの遅いよね。
(思いっきり寝顔見られたよね…)
「一瞬で落ちてたよ」
高遠くんが笑いながら言う。
(ひーーーー…やっぱり)
「ご、ごめん!」
「何で謝んの。勉強してる時から眠くてしょうがなかったんじゃん?」
「…そうだけど…」
もっと話ししたりとか…。
好きな人と同じベッドにいるのにソッコー寝るとか女子として終わってるんじゃ…。
「気にしなくて大丈夫だよ。先輩の寝顔見てたら俺も知らぬ間に寝てたし」
「見てたの!?」
どんなアホ面して寝てたの!?
きっと高遠くんドン引きだよね。
「そりゃ見るでしょ、好きな人が自分の腕枕で可愛い顔して眠ってたら」
私はあまりの恥ずかしさに両手で顔を覆った。
「顔まっかー」
顔を隠した指の間から、高遠くんがほっぺを指で突っつく。
「からかわないでよー!」
「からかってないよ。ほんとに可愛かったんだから」
大きい手で頭を撫でられて、余計に顔が赤くなった。