その背中、抱きしめて 【上】
「じゃあ高校卒業できるようにちゃんと2年間勉強しなきゃな」
ご飯を食べ終わった高遠くんが大きく伸びをする。
「学年1位の人が何言ってんの。授業眠ってたって楽々卒業でしょうに」
「俺もう1位じゃないよ。あれ?先輩知らなかった?」
え?
知らないよそんなの。
(あ…)
そうだ、私2学期は成績優秀者の貼り紙見に行ってなかった。
どうせ自分が載ってないから。
それから…
高遠くんの名前を見るのが辛かったから。
「2学期、貼り出されたの見に行かなかったの。中間も期末も」
「そっか。俺ね、中間2位で期末3位。どんどん落っこったんだ」
3位って…。
1学期の期末は1位だったのに。
「情けないんだけど、先輩と離れたことがだいぶ精神的に響いてたっぽい。自分から離れたくせにさ…」
そんな勉強に影響しちゃうほど?
高遠くんは恋愛ごとなんて、勉強にもバレーにも全然影響しないものだと思ってた。
「案外女々しいんですよ」
そう言って高遠くんは舌を出した。