モテ系同期と偽装恋愛!?
「そんなに飲み会が嫌?
草沼さんたち、いい人だし、俺は楽しみだけど」
「横山くんは男性だからそう思うのよ。
私じゃなくても女性なら、皆んな憂鬱だと思う」
「なにそれ。去年も飲み会あったんだよね?
まさか、セクハラされた?」
「されてない……」
去年の飲み会も、スナック葵で。
明らさまなセクハラはされていなくても、私には地獄で、本当に死ぬかと思った。
商談には顔を出してくれなかった葉王の男性社員も、なぜか飲み会だけには参加して、男性10人の中に女は私ひとり。
スナックのお姉さんがいてくれるのが、唯一の救いに思えた。
『横山さ〜ん、次、こっちに座って〜』
そう言われたら嫌とは言えず、酔った男性たちの間に順に座らされて……。
仕事だからと自分に言い聞かせて必死に耐えていたが、手は震えっ放し。
やっとお開きになって宿に着き、ひとりになった途端に大泣きしてしまったことを、あの時の苦しさと共に思い出してしまった。
無音の溜息に気づかれてしまった後なので、今度は遠慮なく大きく息を吐き出した。
すると横山くんはニヤリと笑ってからかってくる。
「男を軽くあしらうの、紗姫の得意技だろ」
「取引先相手に、無理に決まってるじゃない」
「そう怒るなって。仕事だと自覚してるなら、頼むから客前で溜息つかないでくれよ。ツンデレ姫はうちの社内だけな」