モテ系同期と偽装恋愛!?

「お客さん、どこから? 東京の人?」

「はい、そうです」

「やっぱりね〜。東京の女性は綺麗だよね」

それは一体、どういう意味だろう……。

容姿に対する褒め言葉を深読みしてしまうのは、過去の経験上、仕方ないことだった。

褒めた後に『美人は得だよね』とか『合コンしたらひとり勝ちするタイプじゃない』とか、嫌味な言葉を浴びせられることが今までに何度もあったから。

彼女たちはふたりとも美人だ。

長い髪をヘアクリップでひとまとめにしただけの私と違い、華やかに結いあげているし、私のメイクは直していないから崩れているけれど、彼女たちの唇は色鮮やかで魅力的だった。

だから、嫌味な言葉は言わないで欲しいのだけれど……。

少し身構えてしまったが、彼女たちの笑顔に悪意があるようには見えなかった。

「あ〜東京に住みた〜い」

「田舎じゃ出会いないしねー」

「そうそう、葉王のオヤジとジジイしか来ないもん」

「奴らが来ないと潰れちゃうから、来ないでとは言えないけどねー」

よかった……どうやら私が危ぶむ方向へは話が進まないみたい。

それが分かって、私を挟んで笑い合うふたりに、ホッと胸を撫で下ろした。

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