モテ系同期と偽装恋愛!?
花火を見ながら次に聞かれたのは、横山くんのこと。
「うちの店にもやっと若いイケメン来たね。
同じ会社なんでしょ? なんの会社? 彼の役職は?」
「えーと、葉王さんのような化学メーカーに、買い付けた原料を卸売する専門商社で、横山くんは……」
彼の話になると、ふたりの目の輝きが分かりやすく増した。
質問の答えにさらに質問を重ねてくるから、折角の花火から気持ちが逸れてしまいそうになる。
血液型や誕生日を聞かれても知らないし、勝手に連絡先は教えられない。
東京のどこに住んでいるのかと聞かれても、あれ、どこだろうと首を傾げてしまう。
「何も知らないんだね。イケメンに興味ないなんて信じられない。どんな車に乗っているかくらい、分からない?」
「青い車です」
「色じゃないよ、車種。
それで年収とか推測できるんだけど」
「車種は……前に聞いたことがあったけど……すみません、思い出せません」
「えー、結局イケメンの情報ないんだけどー」
ふたりがかりで口撃されるのに戸惑ったが、こういう明るい感じなら悪くない。
情報を提供できない私に笑いながら文句を言ってくれるなんて、友達の会話みたいでドキドキしてしまう……。