モテ系同期と偽装恋愛!?

「フラれたけど、告白はしてないんです。
デートの帰り際に嫌いと言われて」

やっぱり、私みたい……。
人気者の彼に嫌いと酷い言葉をぶつける女は、私しかいないと思う。

本当は嫌いじゃないけれど、男性だから近づかれるのは怖いし、平和な今の日常を壊されたくないから避けてしまうだけで……。

横山くんの方は見ることができず、俯いていた。

でも感じる。突き刺さるほどに真っすぐ私に向けられる、彼の視線を。

戸惑う心に彼の声が入り込み、私から落ち着きを奪い去る。


「入社以来5年間ずっと気になってた。ガードが固すぎて中に踏み込ませてくれなくて近づけなかった。
最近、少しは距離が縮んだ気がして喜んでいたのに、嫌いと言われて……」

「えー、可哀想ー」

「けど俺、嫌われている気がしないから、余計に困っていて。社内ではツンツンなのに、俺の前で可愛い顔して笑ってくれたり、急に素直なことを言って赤くなっていたり。

俺が贈ったコンパクトミラーを使ってくれたり、わざわざ俺の使った爪楊枝を選んでイカ焼き食べてたり。

これで嫌いと言われてもな……どう思います?」

横山くんの問いかけにお姉さんたちは、私の気持ちとは違う女心を、張り切って教えてあげていた。

嫌いと言った理由は気を引きたいからだとか、そういう女は実はM気があって、強引に押し倒されるのを待っているとか……。

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