モテ系同期と偽装恋愛!?
彼のひと言ひと言に、心臓が跳ねてから縮み上がる。
全てバレている……。
高飛車女を演じている理由まで……。
腕はすぐに離してくれたので直接的な恐怖からは解放されたが、鼓動は変わらずドクドクと、振り切れそうなリズムを刻んでいた。
もうダメだと分かっていながらも、剥がされた仮面を被り直して必死に演技をする。
「どうしても私を弱い女に仕立て上げたいようだけど、全て間違いだから。
男なんか怖いわけないでしょ。くだらない男が、この私に触れるのが許せないだけよ」
腕組みをして、重心は左足に。
右足は斜め横に出し、パンプスをわざとコンクリートの床に叩きつけて音を立てた。
横山くんの方が20センチ近く背が高いけれど、顎先を上に向け、見下したような視線を浴びせていた。
すると彼が眉間にシワを寄せて、不機嫌そうな顔をする。
「バレてんのに、なんでそうなんだよ……」
低く吐き捨てるように言った後、一歩で距離を縮められた。
素早く伸びてきた腕にドンと肩を押されて、背中をコンクリートの壁に押し付けられた。
笑顔の印象が強い少し垂れ目の双眼に、今は苛立ちが表れて、私を真っすぐに睨みつけている。
逞しい二本の腕が私の顔の横に突き立てられ、思わず悲鳴を上げて両腕で顔をガードした。