モテ系同期と偽装恋愛!?
怖い、怖いよ……。
横山くんもやっぱり、強引に押せば私を手に入れられると思うタイプの人なんだ……。
過去にもこんな風に、手荒なことをしてきた人が何人かいた。
告白されて断ったら、肩を強く掴まれたり、逃げる私を人気のない場所に追い込んだり。
横山くんも同じだなんて、悲しい……。
ぶるぶると震えながら怯えて、今にも泣きそうになっていた。
ガードしている腕に彼の溜息がかかると、一拍置いて、私を囲う腕が外された。
「怖がらせてごめん……何もしないから……」
そんな謝罪の言葉に被せて、スナック葵のドアが開く音と賑やかな店内の音がして、それが消えた後に誰かがこっちに向かってくる足音が聞こえた。
ハッとして滲んだ涙を拭き、腕のガードも下ろして、コンクリートの壁から背中を離す。
横山くんも音のする方へ体を向けていた。
廊下の角を曲がって現れたのは、葉王の副工場長。
私が抜け出す前より、かなり酔いが回っているのが一目で分かった。
少々生え際の後退している額まで赤ら顔で、ふらふらと千鳥足。
大丈夫だろうかと心配の目を向けていると、トイレに入ろうとしていた副工場長が、やっと私たちの存在に気づき足を止めた。