モテ系同期と偽装恋愛!?

そこはさっきまで横山くんが座っていた席で、副工場長の隣の席。

戻ってきた副工場長が酔いに任せてベタベタしてくることだろうと、理解して座っていた。

もちろん嫌だけれど、それを乗り切ってみせればきっと、疑惑から逃げることができるのではないだろうか……。

少しして副工場長と横山くんが戻ってきた。

カウンターの中にいるママさんに、副工場長が新たに焼酎水割りを頼んでいて、横山くんが水9割で作るようにと、こっそり手振りでお願いしている様子が見えた。

アーチ型の長いソファーの真ん中に副工場長が戻ってきて、私と並んで座る。

私に場所を取られた形の横山くんは、ひとり掛けの丸椅子に腰掛け、なにか言いたそうな視線を向けてきたが、私はそれを無視した。

予想通り、酔って理性が半分崩れた副工場長は、私にスキンシップを取り始めた。

「紗〜姫ちゃん、おじさんれ〜、綺麗な女の子はだ〜い好きなんらよ〜」

そう言って、まずは手を握られる。

途端に鳥肌が立つけれど、大丈夫。

社会人になってから取引先の人と握手を交わす機会はたまにあり、覚悟を決めて臨めば、震えずに握手することくらいできるから。

だから副工場長に左手を握られても……怖い……いや、怖くない、絶対に怖くない。

これくらいなら、私は耐えられるはずなんだ。

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